※「寝ても寝ても疲れがとれない人のための スッキリした朝に変わる睡眠の本」(PHP研究所)
大阪市大 疲労医学 特任教授 東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身 著
今回ご紹介する内容は大阪市大 疲労医学 特任教授 東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修身先生の著書「スッキリした朝に変わる 睡眠の本」よりいびきの怖さについてお伝えします。
まず著者のご紹介です。
梶本修身(かじもと おさみ)医学博士。医師。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。大阪大学大学院医学研究科修了。2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS「アタマスキャン」をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。
いびきは気道が狭くなっている状態で発生します。気道が狭くなることにより、呼吸をする際の空気の通り道が狭くなり、摩擦によって発生します。そんないびきの怖さについて確認していきましょう。
1.いびきの恐怖
・いびきの恐怖その1「自律神経がフル回転」
いびきが発生している状態では肺に十分な酸素を送ることが困難になります。そうすると自律神経中枢は苦しいので横隔膜を大きく動かして肺を膨らませる運動を指示します。また同時低酸素状態を引き起こすため、自律神経は心拍を速くし、血圧を上げて酸素の供給量を維持しようとします。
つまり、いびきをかいて眠ることで自律神経を休めるはずの睡眠が自律神経をフル回転で働かせることになってしまうのです。
・いびきの恐怖その2「睡眠中に呼吸が停止」
いびきが悪化すると睡眠中に呼吸の停止が起こります。呼吸が止まってしまうと身体は無理やり呼吸を再開するために無意識のうちに覚醒します。ヒトはそうして生命の危機から脱出します。このようなことが一晩で数十回、多い方は100回以上発生します。こんな状態ではとても質の良い睡眠はとれません。
・いびきの恐怖その3「睡眠時無呼吸症候群」
「睡眠時無呼吸症候群」は近年社会問題となっており、その潜在患者数は推定250万人にも及びます。いびきをかいている状態よりさらに酸素の供給量が少なくなるため、睡眠中にかなりの疲労がたまります。また「睡眠時無呼吸症候群」は単に疲労を蓄積させるだけでなく、生活習慣病を中心とした病気のリスクを引き上げます。例えば「睡眠時無呼吸症候群」の場合、高血圧の発症リスクは1.4~2.9倍に上昇します。
2.ひどいいびき→睡眠時無呼吸症候群の疑い
ひどいいびきとともに日中眠気を強く感じることが多い場合は睡眠時無呼吸症候群=SASの疑いがあります。その場合は専門の病院での治療が必要となります。
SASの診断をするためには、まず「終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査」が必要となります。
PSG検査はSASのチェックだけでなく、様々な睡眠の状態をチェックするのにも使われます。入院してチェックする場合は3~8万円が自己負担になりますが、簡易検査は健康保険適用で3,000円程度で受けることができます。思い当たる方は早めに検査を受けることをお薦めいたします。
もし検査によって「SAS」と診断された場合は。CPAPという治療法が中心となります。
CPAPは鼻マスクとエアチューブを介して空気を送り込むことで、気道を押し上げ、呼吸を楽にする治療法です。呼吸が楽になることで、自律神経を休めることができ、疲労回復につながります。
いびきは代表的な悪い睡眠のサインです。「いびきくらい」と軽視せずに早めに対処してください。
・熟睡アラームでいびきチェック
熟睡アラームにはいびき録音機能があり、いびきの「音」をグラフ化することでユーザが簡単にご自身のいびきの状態を確認することができるようになっています。
昼間に眠気を感じた場合は熟睡アラームをお試しください。いびきも「睡眠時無呼吸症候群」も早期発見・早期治療が重要です。